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2018.12.27

文科省勉強会レポート【学びを介した共生社会の実現〜多様なセクションで手を携えていく仕掛け作り〜】

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2018年12月21日(金)、文部科学省にて、文部科学省内の内部の勉強会「社会教育・生涯学習に関する実践的政策勉強会(第8回)」にハッシャダイの勝山恵一が講師として登壇しました。

学びを介した共生社会の実現〜多様なセクションで手を携えていく仕掛け作り〜

“共生社会の実現”・”多様なセクション”…ハッシャダイに欠かせない今回のテーマ。
まずは「ハッシャダイって何を目的として、何をやっている会社なのか」について説明をしました。
非大卒の選択格差を解消する、そのためには”機会格差”をなくすこと。
選択格差をなくすために”移動”という方法を取っていること。
その手段として、ヤンキーインターンとトラベルインターンを運営していること。
非大卒の価値を定量的に評価するためにハッシャダイ研究所があること。
ハッシャダイが大切にしているメッセージを世の中の若者に届けるためにハッシャダイアパレルを運営していること。
気軽に相談できるコミュニティの場としてハッシャダイカフェを作ったこと。
進学・就職だけではなく、”第3の選択肢”を作ろうと思っていること。
いつか私たちハッシャダイが不要な世界になることを目指していること。

非大卒の中卒・高卒の若者たちに機会提供をし、最終的に「choose your life」=「自分で自分の人生を選択する」ことの大切さを語りました。

フリーディスカッション〜Q&A〜

Q:若者や教育という分野で活躍していますが、今後、行政に対して「もっとこうしてくれたらいいな」という部分はありますか?

勝山:僕は毎月、沖縄から北海道まで様々なところで講演をしているのですが、その中で学校の先生たちともたくさん話す機会が多いです。
そこですごく感じるのが、時代の流れと共に学校でもキャリア教育を取り入れていますけれども、それでも進路室の先生方の中で圧倒的な情報格差が生まれているなということ。
その先生方が進路について生徒たちに対してアドバイスをするというところで、学校によって進路室によっての格差が生まれてくるのではないかなと感じています。
学校は今までとても閉鎖的な場所でしたが、しっかりと民間の企業であったり、NPOと一緒に連携をして、学校のキャリア教育や進路室を進化させていったら多くの若者たちに対してこれからの働き方や学びを、時代の変化に対してもっと大人たちが近い存在で子どもたちが学べるようになるのかなと思います。
また、若者たちに対するキャリア教育は大前提として、今回の文科省での勉強会というものを先生方たちとやっていきたい、行政の方々と一緒にやっていきたいと思っています。
全国の行政の方々とキャリアについて考えるということはとても価値のあることなのではないかなと思います。
また、ハッシャダイとしてキャリア教育の勉強会をさせていただきたいなとも考えています。

 

Q:行なっている取り組みに関する情報を、きちんと伝えたい相手に届けるためにどのような工夫をされていますか?

勝山:ヤンキーインターンやハッシャダイリゾートに参加してきている若者のほとんどはSNSから、その他はTVでハッシャダイを知った親御さんからの問い合わせなどです。
でもSNSで問い合わせをしてくる若者は、ある程度リテラシーが高い若者なんです。
そこで、それ以外の若者たちにどのようにアプローチしていくのかというところで、直接オフラインで話しに行く、だから全国各地で講演会を行なっています。
その結果、オフラインでハッシャダイを知ってくれた若者からの参加や問い合わせも多くなってきました。

 

Q:これからハッシャダイのサービスを持続的に続けていくということを考えたときに、ある意味、商品としてどういう人材を安定的に輩出していけるかというところが鍵になってくるのかなと思うのですが、今行なっているヤンキーインターンなど、そのノウハウはどのようにして見つけられたのですか?

勝山:ヤンキーインターンは全て社員の実体験に基づいて運営しています。実はヤンキーインターンのロールモデルが僕なんです。弊社代表の久世は僕の義兄なんですが、久世が2年間地元から離れ、2年後に地元に戻った時に、自分は移動をしてすごく成長して変わったのに、地元の友達は全く変わっていない、2年前と全く同じ生活をしているという現実があったんです。
その時、僕と彼女の間に子どもができたんです。「しっかりしないと!働かないと!どうにかしないと!」と思うものの、どうしていいか分からない…そんな時に久世から「営業をやってみないか。」と誘われて始めました。内心、「僕にできるかな…。」と思っていたんですが、新しい環境に飛び込んだ時にワクワクしたんですよね。結果、日本一を取ることができたんです。
そういった実体験をがあったからこそ、「僕でもできるんだからみんなできる!変われる!」そう思って、その後は僕の周りの友達たちを誘ってどんどん人数が増えました。
次に自分の周りだけではなく、全国のたくさんの若者にも”変われる”ということを届けたい、そのためには…と考えてできたのが、今のヤンキーインターンです。
だからノウハウというのは、全て僕たちの実体験なんです。
ヤンキーインターンだけでなく、トラベルインターンも久世や僕たち社員の実体験からスタートしています。

 

Q:企業との連携や繋がりがとても重要だなと思うのですが、ハッシャダイに協力してくれる企業の特徴はありますか?

勝山:学歴を気にしない企業様や新しい企業様は柔軟に受け入れてくれているかなと思います。
あとは徐々にハッシャダイの事業の成果が出てきている今、その結果を見て興味を持ってくれる企業様も多くなってきています。

Q:「choose your life」が腹に落ちている子はもう自らどんどん前へ進んでいけると思うんですけれども、初めは共通して自分に自信がなく、おそらくこれがその後の人生の格差に繋がっていくひとつの原因かなと思います。ハッシャダイであれば”移動”させるという方法を取っているということですが、他にこういう視点も大切だよという部分があったら教えてください。

勝山:僕たちは「choose your life〜自分の人生を自分で選択しよう〜」という僕たちが作ったキーワードを掲げていますが、ヤンキーインターンに入ってきた参加者の若者たちに、ヤンキーインターンを卒業してすぐに「choose your lifeしようね!」と言っても出来る子ってほぼいないと思っているんですよね。
ヤンキーインターンに参加したての子たちに「自分の人生を自分で選択しようね!」って言っても選択肢はたくさん増えたとしても、その選択肢の選び方を分からないと思うんです。
というところで、僕たちはヤンキーインターンを卒業後2.3年後に「choose your lifeをしっかり出来るようにしていこうね!」と言っています。
ヤンキーインターンを卒業した時に、企業に就職する、海外へ留学する、大学へ進学する、と様々な選択肢があると思うんです。その選択肢についてヤンキーインターンを卒業して、一度社会に出て経験を積んだ参加者がハッシャダイに就職して社員になっているんですよね。
その社員と一緒に進路を選択しているということをしています。
なので、「choose your life」が自分自身でできなくても周りのサポート体制が万全なことが何より重要かなと思っています。

Q:伝統産業の継承者がいないというところを考えているのはとても素晴らしいなと思いました。ハッシャダイとしてどのように取り組んでいるのですか?

勝山:伝統産業はとても人手不足なので今後、そこへ就労しにいく若者たちがどんどん増えていくように取り組みとして今1番、力を入れています。
「伝統産業にとても興味を持っている、でもどう繋がったら良いのか分からない」という若者たちがとても多いのも現実です。
そして「そもそも自分にはできない」と思っている子がほとんどなんですよね。
だから僕たちは伝統産業という選択肢があることを提案します。すると「是非体験してみたい!」という声がすごく多いんです。
なので、伝統産業の価値を若者たちに伝えていくということに僕たちもすごく価値を感じています。

 

Q:企業から協賛してもらうために、どういった部分を伝えますか?

企業様に共産を得てもらうために、しっかりと説明をしています。
中卒・高卒の若者、またヤンキーインターンに参加する若者は、自分の人生にとても危機感を感じています。
ほとんどの若者がブルーカラー職しか経験しておらず、理不尽な上下関係に悩んでしまったりとか、この先の人生を考えたときに、とても不安感に駆られています。
どの仕事も素晴らしい仕事なのですが、とはいえ、中卒・高卒者に関しては、その選択肢しかできなかったという背景があります。
だからこそ全ての若者が選択出来る社会を作らないといけない。しかし現状、選択肢が少ない中卒・高卒者に関しては特に、学ぶことへの意欲はすごいです。本当にスポンジのように全てを吸収していきます。
なので、そういう若者たちがたくさんいますよ、ということと、ハッシャダイではスキルシートを作っているんですね。例えば、インターン生活の中でどんな経験をしてきたのか、自分の過去はどうだったのか、というのを企業様に対して正直に話すことを大切にしています。過去、非行に走っていた、引きこもりだった、ニートだったということも全て。
ただ、ヤンキーインターンという名前なので、ヤンキーがいると思われがちですが現在はほぼヤンキーはいませんが、彼らの経歴や良い部分、悪い部分を包み隠さずにスキルシートに記入しています。
そういう部分から、信頼を得られていると思います。

勉強会を通じて…

今回の勉強会を行い、文科省の方のひとつの意見として『「choose your life〜自分の人生を自分で選択しよう=内発的な動機」と言うのは大切だと感じているが、自分達が内発的な動機で進路を選択したかと言うとそうではない為、共感は持てなかった。』との意見をいただきました。
ただこれからの時代、『「choose your life」が非常に重要な言葉になってくることは感じたし、こう言った取り組みや考え方が非常に必要だと感じた。』と言う言葉もいただきました。
今後、文科省の方からも勉強会であったり、様々な取り組みを一緒にやっていこうというお話をいただきました。
ハッシャダイが目指す選択格差のない社会を目指していきたいと思っております。

 

Written by tomo.

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